汚レ唄
ロックな着物を着崩している4人の姿は男の俺でもカッコいいと思う。
ド派手な衣装だけど、その中に純日本らしさがあるというか。
とにかくカッコいい。
「俺も、このくらいカッコよければ、麻緋と一緒にいれたのかな」
なんて……俺、オンチだし。
無理に決まってる。
「『SAMURai奇跡の25ページインタビュー』ねぇ……」
確かにあの4人が25ページも雑誌に載るなんて珍しい。
いつも2〜5ページくらいしか載っていない。
麻緋は「インタビュー中ずっと無口でいるのがしんどい」なんて言っていたっけ。
それなのに、25ページインタビューって……。
それほどSAMURaiはみんなに受け入れられているってことだろうか。
それとももっと売りたいということ?
まっ、業界のことなんて俺には全くわかんねーけど。
綺麗な衣装に身を包み、刺すような視線を送ってくるTSUBASAの写真をみると、なんだろう。
距離を感じる。
いつもはあんなに近くにいるはずだったのに。
この顔の麻緋は遠くに感じる。