汚レ唄

 それが悲しくて、上京するまでずっと同じ場所で同じ時間に歌ってました。
 少し意地になってたところもあるんですけど


─── いっつも1人で?


TSU:高校生の頃、いや、もっと前かな??
 1人だけ私のファンがいたんですよ。
 その人がいつも10メートルくらいかな?離れたところで聞いてくれていて。
 1人だけど、1人じゃない。そんな感じでした。
 通り過ぎていく人を見て、凄く寂しい気になったけど、離れて聴いてくれている、その人の姿を見つけると嬉しくなって。

 すごくその人の存在に支えられてましたね。

 バンドを組んでからはメンバーと路上で歌ってたんですけど、その頃から足を止めてくれる人が出てきて、その人もいつも変わらずに聞いてくれてましたね。


─── 今、その人は何をしてるでしょうね?


TSU:そうですねぇ。
 きっと、どこかで美容師として働いているんじゃないでしょうかね?


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