汚レ唄
ねぇ、お兄ちゃん?
最近昔の夢ばかりみるんだ。
好きとか関係なく、ただ夢中に遊んでいたあの頃の夢ばかり。
常識とか、道徳とか……
世間や血とか関係ない世界に生まれたら、お兄ちゃんは私を女としてみてくれる?
それでもやっぱり妹のままなのかな?
気付けば涙が幾筋にも流れていて、声を殺して泣き続けた。
だって隣にはお兄ちゃんがいるから。
声を殺さなくちゃお兄ちゃんに聞こえてしまうから。
聞こえないで。
私のこの黒く歪んだ涙を見ないで。
私の醜く狂った気持ちに気付かないで。
妄想の中ではいつでも気持ちを伝えることができるのに。
だけど……現実の世界では私の気持ちなんて狂ったものだから。
どうかお兄ちゃんに聞こえませんように……
枕に顔を埋め子供の頃のように大粒の涙を流した。
どうして私だけが好きなんだろう。
どうして私だけがこんなに狂い、こんなに汚いんだろう。
どうして私は普通の恋ができないんだろう……。