汚レ唄
拓斗さんは兄のように慕っている人で、男女関係なく誰にでも明るく接してくれて、誰からも好かれるような存在だ。
「元気だったかぁ〜?」
ワシャワシャと乱暴に髪をなで上げる。
「うわぁ!拓斗さん、やめてって!!」
「なんだよ、洒落こんじまってよ!!生意気な!!」
グワシと首を絞められる。
「うぇ〜!!苦しいって!!拓斗さん!!!」
「うるへぇ〜!!お前なんか、こうしてやる!!!!」
首をしめられてるってのに、やばいくらい楽しい。
こんなに近くに麻緋がいるのに、それでも罪悪感から救ってくれたのは、拓斗さんのおかげだった。
「ほらほら、いつまでもこんなところに突っ立ってないで!!中入りましょうよ!!」
騒ぎすぎて気付かなかったけど、周りに人が集まりだしていた。
オネェ言葉のおっさんの言葉で続々と店の中へと入っていく。
後できいた話では、このオネェ言葉を話すおっさんは麻緋たちSAMURaiのマネージャーだったらしい。