汚レ唄
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♪ピロリロリン♪
机の上に無造作に置かれた携帯がメールの着信を知らせる。
ゴシゴシと涙を服の袖で拭い、鼻水をティッシュでかんでクシャッと丸めてゴミ箱を狙う。
ベッドから1メートルも離れていないのに、悲しいくらい的外れな所に飛んでいったティッシュは何だか寂しげで、ポツンと残ったティッシュが自分と重なって見えた。
私だけがお兄ちゃんを好きで、他の人のように血の繋がりなんてない人と付き合うことができないから。
だから何だか残されたような、そんな気がするんだ。
私はベッドから降りると、外れたティッシュを拾いゴミ箱に捨てた。
それから机まで向かい、鳴った携帯を手に取ってからまたベッドに戻る。
宿題なんて嘘。
今日は宿題なんてない。
だけど、あのままお兄ちゃんの傍にいたら、胸がドキドキして、痛くて……寿命を縮めているようで部屋へと非難したのだ。
携帯を開けると知らないアドレスからだった。
だけど、件名を見てすぐにわかった。
今日カラオケで友達になった祐君だ。