汚レ唄
「元?のわりに腕とか組んでなかった?」
私の意識はあの夜の日へとトリップ中。
だけどそれも拓斗の言葉で我に戻る。
「それでも別れたんですってば。きっぱりと振られたんです」
力なく笑う蒼の声でまたもや胸がきゅううううううううと締め付けられる。
まだ想ってるんだろうな。なんて考えたから。
自分で自分を苦しめてしまう。
バカみたいに、その繰り返し。
モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ……
心の奥が黒くなっていく。
「別れたのに、腕組んで歩くなんて変だよ」
こんなこと言うつもりもないのに。
「それは……あいつが勝手に」
“あいつ”ねぇ……。
モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ。
「でも、まんざらでもなかったんじゃない?嫌がる様でもなかったし、お菓子とかも持ってあげてたし」
モヤモヤが増えると、嫌味しかでてこなくなる。
なんでだろう。
傷つけたくてしょうがなくなる。
私の方をみてほしいって心が叫んでる。
「違うって」
そんな否定の言葉さえも疑ってしまう、そんな自分が嫌だ。