汚レ唄



「っていうか、この雑誌欲しかったら俺らに言えば何冊でもやるのに……」

静が雑誌をペラペラとめくり、自分のページを眺める。


そんな静の言葉を聞いて、今度は拓斗が楽しげに話にのってくる。


「そういえば、そうだな!!俺らに言えば事務所に何冊かあるから1冊くらいやれるぞ?」



そう、この雑誌が発売する前日に事務所のほうに何冊か送られてきていて、今回の出来の良さに社長も大満足していたのを覚えている。




「いや〜、でも貢献しないと……」

蒼は後ろ頭をかきながら歯切れ悪く呟く。



「バーカ!!お前に心配されなくてもSAMURaiは絶好調なんだよ!!」


再び拓斗に首を絞められる蒼だけど、顔が凄く嬉しそうに笑っている。

あんな顔をして笑う蒼をなんだか久しぶりに見た気がする。



「でも、この取材受けて改めて思ったんだけどさ。
僕たちの名前って結構適当じゃない?」

則彦がようやく会話に入り込んでくる。
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