汚レ唄
「え〜っと、RYOさんの由来は……ベタに坂本竜馬からとったんですね」
「そうなんだよ!!あの坂本竜馬の竜からだぞ?すごくねぇ?」
「で、TOSHIさんが……」
「って、話聞けよ!!!」
拓斗のツッコミが虚しく響き渡る。
「TOSHIは僕ね」
拓斗とは違い、照れもなく自ら名乗り出た則彦。
「TOSHIは、土方歳三から……ですか」
「そうだよ?土方歳三知ってる??新撰組の鬼の副長って呼ばれてさ、しかもかっこいいんだよ?」
自慢げに胸をはり、えっへんと鼻息荒くするけれど、則彦が副長でかっこいいわけではない。
あくまで土方歳三がカッコいいんだ。
……なんて、本人にはいえないけどさ。
「で、静さんがMATSU?」
「おう、ちょっとコレ貸せ」
静は蒼から雑誌を奪い取ると、あぐらをかいて、自分の後ろに雑誌を放り投げた。
バッサァっと鈍い音がする。
「なんですか?」
「MATSUって誰から取った名前だと思う??」
ニヤリと口の端だけを軽くつり上げて笑う。