汚レ唄



「え〜っと、RYOさんの由来は……ベタに坂本竜馬からとったんですね」


「そうなんだよ!!あの坂本竜馬の竜からだぞ?すごくねぇ?」


「で、TOSHIさんが……」


「って、話聞けよ!!!」




拓斗のツッコミが虚しく響き渡る。


「TOSHIは僕ね」

拓斗とは違い、照れもなく自ら名乗り出た則彦。


「TOSHIは、土方歳三から……ですか」

「そうだよ?土方歳三知ってる??新撰組の鬼の副長って呼ばれてさ、しかもかっこいいんだよ?」


自慢げに胸をはり、えっへんと鼻息荒くするけれど、則彦が副長でかっこいいわけではない。


あくまで土方歳三がカッコいいんだ。






……なんて、本人にはいえないけどさ。


「で、静さんがMATSU?」

「おう、ちょっとコレ貸せ」



静は蒼から雑誌を奪い取ると、あぐらをかいて、自分の後ろに雑誌を放り投げた。


バッサァっと鈍い音がする。



「なんですか?」

「MATSUって誰から取った名前だと思う??」


ニヤリと口の端だけを軽くつり上げて笑う。
< 345 / 665 >

この作品をシェア

pagetop