汚レ唄
名前なんて思い浮かばないって言うから社長が決めただけであって、特別私に甘いことなんてないんだから。
「だから、TSUBASAは俺らと違って自分で名前考えたんだ」
「もういいでしょ?!ほらっ!!はやく食べようよ」
「あとは、その雑誌に載ってっから、読んでみたら?」
「もういいじゃない。あたしのことは!!」
話題を変えてしまいたい。
雑誌を奪って隠したい。
あんな恥ずかしいこと、雑誌だったから……、
TSUBASAだったから言えたんだ。
私を知る人には恥ずかしくて見て欲しくないのにぃ〜。
無常にも蒼は瞳を上下に揺らし、黙々と読み進めていた。
この時間が長い。
TSUBASAの名前は、私がつけた名前だった。
雑誌には、青い空を自由に飛びまわれる羽根が欲しくて……と書かれていたはず。
だけど、本当は青い空を飛びまわれる羽根が欲しかったわけじゃない。