汚レ唄
蒼の心の中にいたかったからなんだ。
蒼の心にある綺麗な綺麗な水色の空を自由に飛んでいたかったから。
そんな翼が自分にあればいいなって思ったから、
私は自分でTSUBASAってつけたんだ。
たとえ、蒼の空を飛ぶ羽根が黒くても、
灰色でも、
天使のような白い羽根だったとしても、とにかく蒼の中にいたかったんだ。
「普通じゃねーか。何をそんなに隠そうとしたんだ?」
「……別に」
ばれたかと思った。
青い空……
蒼い空…………
蒼の空………………
蒼の中。
なんて気付くわけもないか。
1人でバカみたいに焦って、……本当、バカみたい。
私は、再び目の前に置かれたご飯にお箸をつけた。