汚レ唄


「……蒼。俺さ〜、お前が羨ましくてしゃーねぇ時があるんだわ」


「……なんでですか?」




俺は、拓斗さんが羨ましい。



だって、仕事でも麻緋と一緒にいれるし、なにより、恋愛対象でいれるから。




当たり前のように好きだっていう感情をもっていてもいいんだから。



だったら俺は拓斗さんになりたい。








「俺は……拓斗さんが羨ましいで……す」


「なんで?」

「だって……」



麻緋を好きになってもいいから。なんて言えるわけもない。



「だって……拓斗さんは明るくて、楽しくて、友達も多いじゃないですか。羨ましいですよ」


「なっ!?何言ってんだよ!!お前!!!バカ!!マジで恥ずかしいし」

「あ〜……やっぱ前言撤回で」


「なんだよ、それ」

「羨ましかったのは勘違いだったみたいです」


「俺も、勘違いだったみたいだ」



「なんすか、それ!!!」
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