汚レ唄
「でもさ、ほら。俺ら仲間だからさ。
恋愛沙汰になったら、変になっちまうじゃん?だからずっと言えなかったんだけどさ。
でももうそろそろこの恋心にケリつけたいと思うんだよね」
「え?!」
「もしかしたら、お前が義弟になるかもしれないってことだよ」
シャシャシャとイタズラっ子のような笑い方をする拓斗さんが心の底から羨ましくなる。
駄々っ子のように、どうしようもないのに……それでも羨ましい。
欲しい欲しい欲しい!
心の底から叫びたくなった。
「麻緋を……姉をよろしくお願いします」
この一言しか俺は言えない。
どうにもできない問題だから。