汚レ唄
キンコンカンコン
ショートホームルームが終わり、先生が教室から出て行く。
それを見計らったかのように、先ほど先生が出て行った扉が勢いよく開かれる。
そこにいたのは、息を切らし、額に汗を滲ませた蒼だった。
「麻緋!!!!」
「……蒼……」
そう、蒼は私のことを呼び捨てにするようになったんだ。
それから、もう1つ、許せないことがある。
それは……
「はぁ。蒼くん、今日もかっこいい……」
蒼が急にモテ出したことだ。
なんで?!
みんなよく見てみなよ!!
今は確かに背も伸びて、部活で肌も焼けて、なんか爽やかな少年に見えるかもしれないけれど、あの蒼だよ?!
あのへたれ蒼だよ?!
それをかっこいいだなんて、
ないないないない!!!