汚レ唄
「お前は恋したことないから、病気とかいうんだわ」
「恋ねぇ〜」
恋ならしてるよ。
ずっとずっと前から。
「妙にドキドキするけど、心地いいドキドキで、あいつの笑ってる顔みるだけで何でかうれしくなるわけよ」
「…………」
人を好きになるって、こんなに楽しそうなものなのか?
こんなに、笑っていられるものなのか??
俺は、恋をしても、笑っていなかったような気がする。
笑っちゃいけない。
笑えるものなんかじゃなかったから。
普通に恋をすると幸せが満ちあふれ、楽しいものなんだと改めて実感させられた。
羨ましいと思った。
だけど、
やっぱり俺はお前に恋していたい。
笑えなくっても、締め付けられる痛みを受けても……それでも、やっぱりお前を好きでいたい。
「……重症かも」
「何が?」
「……なんも」