汚レ唄
《麻緋》1997【15歳】その2
「ずっと、明るくて、笑顔がいいなぁって思ってて……」
「……ごめん。今は、受験生だし……恋愛とか考えられない」
放課後の教室。
外では部活に燃える生徒たちの声が聞こえてくる。
だけど、教室は静まり返っていて妙な空気になっていた。
「そっか……だよなぁ〜。
変なこと言ってごめんな。また明日な」
2年の時に同じクラスだった和田君は力なく笑うと、カバンを持って教室から去っていった。
「……はぁ」
告白なんて初めてされたけど……すっごいドキドキする!!
それに、断るのにもこんなに気力使うなんて……思ってなかった。
どう断るのが1番いいかとか、
どういえば1番傷つけずにすむかとか、そんなことばかり考えてた。
「なんか……もう一気に疲れた」
誰もいなくなった教室。
そのまま自分の席に座り机の上に突っ伏した。
勉強、勉強、勉強……。
1学期の成績で全てが決まる。
夏休みは1日中塾。
たった1度の試験で合否が決まる。
たまに考えてしまう。
このままでいいのかって。