汚レ唄
流されるままに流されていって、そこに自分の意思は残っているのかなって。
なんのために勉強して、
なんのために高校へ行くのか。
答えは、いい学校にでて就職するためなんだって先生も親も言う。
だけど、今から先のことを考えなくてはいけないなんて……。
正直めんどくさい。
ここまでしないといけない価値が将来にあるのだろうか。
再び溜息をついたとき、外からピアノの音が聞こえてきた。
吸い込まれそうなくらい澄んだ音色。
吹奏楽部や運動部の声や音も聞こえているのに、今はただ1つのピアノの音が頭を……いや、心を掴んで離さない。
「……だれが?」
一体誰がこのピアノを弾いているんだろう。
凄く繊細で、凄く胸に響く。
音楽の先生よりも断然うまい。