汚レ唄
陰気くさいとからかわれる日もあった。
だけど、それでも、あんな父のようになりたくなかった。
そんな辛気臭い日を過ごしていた僕だけど、ある雨の日の朝、君に出会った。
その日は、朝から雨の日で、なんだか憂鬱で、気分は元から暗かったけど、更に暗くなってしまって頭がズキズキと痛んだ。
雨になるといつもそうだった。
脳みそのテッペンをガンガンとトンカチで殴られてるように痛む。
それに度の合わないメガネをかけているせいかクラクラと軽く目眩も感じていた。
そんなこともあって、とにかく、今日のコンディションは最悪。
こんな気分で満員電車に乗らなくちゃいけないなんてやってられない。
僕の通う高校は男子校だけど、近くに女子校が建てられてるため、僕の降りる駅は女の子独特の、耳に痛く響く高い声でいつもいっぱいだった。
ホームにいても、電車の中でも、駅を出ても、とにかく女の声がうるさい。
……頭痛いってのに朝から最悪。
しかも雨のせいで足下凄くよく滑るし。