汚レ唄
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カラオケで陽菜ちゃんを待っていると大輔が真剣な表情をして耳打ちをしてきた。
「ピナ、男苦手らしいぞ?」
え?
そんなことない。
苦手なら僕に話しかけたりなんかしないだろ?
「今まで彼氏つくったこともないんだって。
がんばったらお前が彼氏第1号になるんじゃないか」
ニタニタ笑う大輔だけど、僕には、その大輔の言葉は信じられなかった。
『男が苦手??彼氏作らない??』
僕の中での陽菜ちゃんのイメージとは全く違う。
陽菜ちゃんは……彼女は、明るくて、誰にでも優しいって、そんな感じがしていた。
もしかしたら、人違いなのかもしれない。
不安になったとき、目の前に2人の女の子がやってきた。
1人は何だか気が強そうで、ちょっと僕の苦手な感じの人。
そして、もう1人は……紛れもない、あのときの女の子だった。
やっぱりあの子が陽菜ちゃんなんだ。
あの女の子と知り合う機会ができて嬉しい。
だけど……だとしたら大輔の言ってたことが頭をよぎる。