汚レ唄


「あんたらが邪魔してるから終わったんだよ」

「んだと?」



蒼の襟元を掴むと、蒼は
「駅員に頼んで警察呼んでもらった」
といって笑った。



「はぁ?」

男の1人が口の端を歪ませる。



「どうせ嘘だろ?」

「俺らがそんな古臭い手に引っかかると思ってんの?」


口々に笑い声が聞こえる。






ギャッハッハ

ギャッハッハ





うるさい。

うるさい。


「うるさい!!」

思わず叫んでた。





「なんだと?」

1人の腕がこちらに伸びてくる。

と蒼が守ってくれる。




「さわんな」

「あ〜、俺なんかむしゃくしゃしてきた」

「俺も」

「俺も。お前殴っていい?」




言うと同時に蒼が電話ボックスのすぐ傍まで吹っ飛ばされる。




「ってぇ……」

頬に殴られた跡が浮かぶ。




「ってことで、この子は連れて行くからねぇ〜?」

横になったままの蒼に声をかけて肩に手を置かれた。






蒼のところに行きたい。


だけど肩にまわされた手がそれを許してくれない。


離して。

蒼、大丈夫??




蒼……。












「っててててててて」


といきなり隣の男が声をあげた。



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