汚レ唄

下駄箱へと到着すると、ようやく那智に掴まれていた手首が解放された。


軽く赤くなってる……。


上履きから下履きに履き替えると、やっと那智が話してくれた。



「……はぁっはぁ……とにかく、今……はぁ……説明してる暇ないの……はぁ」

「……え~?!はぁっ…気になるじゃん……はぁ……」


階段を全力疾走しただけで2人とも激しく息切れしていて、ある意味言葉にならなかった。



「ふー……」


お互い息を整えてから、再び走り出す。


今度は私は自分の意志で那智の後を走った。




とにかくカラオケ。

日頃のストレスを発散させてやる!!



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「……なんでぇぇぇぇぇぇ?」

那智と2人で行きつけのカラオケ屋に着いた時、那智の言っていた意味を理解し叫んでいた。



「だって、あんた、男と会うって言ったら来ないじゃん」



騙しといて罪悪感がないのかって疑うほどしれっとした態度の那智。


「そうだけどさ、騙すことないじゃん」

「いつも来ないあんたが悪い」

「む~!!」

返す言葉が見つからない。




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