汚レ唄


「だーかーらー、別にいいじゃん。麻緋の行きたいところ行かせてやれば。
何が問題なわけ?」

「でもお金を払うのは親でしょう?
安定した職につける保障があるならまだしも、ないものにお金は払えないって言ってるの」

「今じゃ、いい大学行ってても就職できない時代なんだって。母さんのいうところに入ってもそれ麻緋の幸せとは限らないし」

「麻緋は……お母さんの娘なの!自分の子供だから苦労して欲しくないの!まだ18しか生きてない子が将来の生活のことなんてわかるわけないでしょ?
お母さんたちは体験してきた。だからわかるの。音楽なんて辞めたほうがいいの。そうに決まってる」


「……母さんは、麻緋のこと、なにもわかってないよ」


「あんたは分かってるって言うの?」

「母さんよりは分かってるつもりだよ」



……蒼が、また私を助けようとしてくれてる。

どうしようかって悩んだ時はすぐに蒼が助けてくれる。


今だって私がいないところで頑張ってくれてる。


蒼……。




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