汚レ唄
《蒼》2000【16歳】
俺の親は両方、頭が堅い。
ウンザリするほど堅い。
もう何度縁を切りたいと思ったことか。
「また進路のことで揉めたの?」
ご飯を用意している母親の後姿に声をかける。
「しょうがないじゃない。
あの子、何にもわかってないんだから」
またこれだ。
自分の考えがあくまでも正しいと主張する。
いい加減、嫌になってくる。
「だーかーらー、別にいいじゃん。
麻緋の行きたいところ行かせてやれば。何が問題なわけ?」
好きなようにさせればいいじゃん。
「でもお金を払うのは親でしょう?
安定した職につける保障があるならまだしも、ないものにお金は払えないって言ってるの」
出たよ。
金金金金……。