汚レ唄
《蒼》2001【17歳】
麻緋は変わった。
専門学校に通うようになってから変わった。
昔よりも断然明るくなった。
キラキラキラキラしてる。
すごく充実しているのがわかる。
やっぱり好きな音楽の道に進んだことは間違いじゃなかった。
麻緋が楽しそうだと俺も楽しい。
嬉しそうだと俺も嬉しい。
そんなの当たり前。
だからいいんだ。
たとえ、仲よさげな男が1人や2人や3人出てきたことくらい。
どうってことない。
どうってこと……
「っだー!!気になるっつーの!!」
バンドを組んだと話をきいて、その上、メンバー構成は男3、女1。
テレビとかでよく見るよ?見るけどさ、麻緋はダメでしょ?
麻緋のまわりに3人も男がいると思うと勉強も部活も何もかも集中できやせん。
壁にかかった時計を見ると時計は9時30分を過ぎたところだった。
「遅い」
遅すぎる。