汚レ唄
「僅かっていうけど、もしかしたら……なんて思っちまうじゃん」
「あ~、拓斗……それはお前、あれだな。失敗するパターンだな」
「なんっつー不吉なことを……。お前が言うとなんか当たりそうで怖えーよ、静!」
「俺らは全力だしてやるしかねーの。そんなこと考えるより、何やるか決めようぜ」
静に言われ、私たちは円になって話し始めた。
ここは則彦のマンションだ。
則彦の実家は他県になるためマンションを借りて生活をしている。
学校でも卒業ライブムード満載なのでそろそろ曲と順番を考えようということで、学校帰りに則彦のマンションに寄ったのだ。
「3曲とも盛り上がりそうなやつやればいいんじゃない?」
と拓斗は目を輝かせる。
拓斗はそういう曲がめちゃくちゃ好きだ。