汚レ唄
蒼が美容師の専門学校へ通うことは決まったことだ。
決まったことだし、本当は決まったときにお祝いの言葉を言いたかった。
だけど、あんなに派手にケンカした手前言えない。
本当は来て欲しい。
そんな期待と後悔が次々に攻めてきて振り払うように走って学校に向かった。
学校にはすでに派手な衣装に身を纏う人もいれば、普通にTシャツ、ジーンズといったラフな格好をした人まで様々だった。
お昼からだしそんなに急いで着替える必要はないと思うけど、ライブが始まるとゴタゴタしてしまうから、今から着替えるほうがいいだろう。
ライブ会場には広い更衣室が2つあって男子と女子に分かれている。
私は紙袋を持って女子の更衣室に入る。
私と同じように浴衣でステージにたつ人も何人かいる。
邪魔になってもいけないのでさっさと浴衣を着てしまう。
何度も着ているので、さすがに着るのにも慣れた。
あとは髪だけど、まぁ適当にあげとけばいいか。
クシで全体をグッと持ち上げてポニーテールにした。