汚レ唄



大きな手が髪をなで、安心させてくれる。


ワックスの甘い匂いが鼻をくすぐった。



それは蒼の香りだった。



出来上がった髪型を見ると凄く可愛く仕上がっていた。

花のピンをつけてもらい本当にお祭りに来たようだ。




「それ、結構強力に固めてあるし、多少無茶に動き回っても大丈夫だから」


「ありがとう」




それからはまったく話していなかったとは思えないほど元通りに蒼と会話が弾んだ。


ライブハウスの後ろのほうの席で蒼とメンバーで座って、自分の出番になるまで他のバンドの曲を聴いていた。





やっぱりみんなうまいなぁ。



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