汚レ唄



最後だからかぎこちない笑顔で歌う人もいれば、歌っている途中で泣いてしまった人もいる。


最後だから。

最後なんだな。



しんみりとしてるとすぐに朝の部は終わってしまった。





「これから1時間昼休憩を挟みます」

とマイクを持ったメイン司会の男の子は大きな蝶ネクタイをして金色にキラキラ輝くジャケットを羽織っていた。



「午後の部の1曲目はSAMURaiのみなさんです。このグループはすっごいですよ。

4人編成なんだけど、その4人の息がどんぴしゃに合ってる。
本当に、昔からの知り合いじゃないかって思うくらいに。
本当、必見ですよ。ぜひぜひ皆様、聴きに戻ってきてくださいね」


というと、持っていた紙を再び見てそのまま読み出した。





「あーっと、あと、業務連絡です。そのSAMURaiのみなさんは1発目なんで早めにステージ裏に集合してくださいね。では、解散!」


といって司会者はステージの裏へと引っ込んでいった。





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