汚レ唄



肩で息をして深く深く礼をした。


もっと深く礼をしたいくらいだ。




鳴り止まない拍手。


温かい空間。


私たちはここで学んだんだ。




「どーも、ありがとーございました!!」と最後にもう一度頭を下げて、ステージからはけた。



みんなゼーゼー言ってる。

「お疲れさん♪」




見ると、蝶ネクタイの司会者だった。


「やっぱすっごいね。いや、凄すぎるわ。それ以外、言いようがない」


「……」




水を飲んで、汗を拭いて、息が整ったら客席に戻ろうと思った。


だけど、

「あー、今、大丈夫?」




声をかけてきたのは先生だった。



< 645 / 665 >

この作品をシェア

pagetop