汚レ唄
肩で息をして深く深く礼をした。
もっと深く礼をしたいくらいだ。
鳴り止まない拍手。
温かい空間。
私たちはここで学んだんだ。
「どーも、ありがとーございました!!」と最後にもう一度頭を下げて、ステージからはけた。
みんなゼーゼー言ってる。
「お疲れさん♪」
見ると、蝶ネクタイの司会者だった。
「やっぱすっごいね。いや、凄すぎるわ。それ以外、言いようがない」
「……」
水を飲んで、汗を拭いて、息が整ったら客席に戻ろうと思った。
だけど、
「あー、今、大丈夫?」
声をかけてきたのは先生だった。