汚レ唄



進路希望だって提出期限せまってるし、なにも書かないで出すよりは親の希望を出せばいいって思う。



なのに、ぶらぶらと優柔不断な俺を麻緋は許してはくれなかった。


美容師の専門学校という希望を第一希望にして提出。



そのことを親に報告。


親はパッと見にはわからないけどまんざら嫌な顔もせず、

いや、むしろ喜んでるような顔を滲み出していた。




麻緋はというと、明らかに俯いて、顔面蒼白状態。


何考えてんのかしらないけど、どーせ『私が家継がないから蒼に背負わせた』とかそういうことを考えてるんだろうとは思う。


俺が美容師の道を選んだのは決して麻緋のせいではない。


俺が、無能で夢も何もないからで、麻緋が思うほど深刻なものではないと思う。





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