汚レ唄



2人っきりの俺の部屋。



急にやってきたかと思えばノックもなしにドアをあけてズカズカと入り込んできて一言めにそれだ。


プライバシーもなんもありゃしない。





「俺は、やりたいことなんてねーよ」


見ていたファッション雑誌を閉じ、ベッドの上で寝転んでいたから、座りなおして麻緋を見上げる。


やりたいこと、夢、希望……イライラする。




「私が言えた義理じゃないけど、この家のために蒼が背負うことないんだからね」





ほら。

お前はお前の道を進め。だ。



俺の道なんてどこにあるのかわかんないっつーの。



わかれば遠慮なくマイウェイを突き進むって。



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