汚レ唄


「……とにかく、今日だけでも私たちに付き合ってよ。ね?」

ようやく、いつもの笑顔を見せてくれた那智に安堵して、今日だけならという条件付きで遊ぶことを承諾した。



店員さんに指定された部屋へ移動する時、大輔君と一緒にここに来た男の人と初めて目が合った。


その人は隣に来て歩幅を合わせて歩いてくれて、私の身長に合わせるように少し背を屈めて話しかけてくれた。



「ごめんね。僕が陽菜ちゃんを紹介してほしいって大輔に頼んだから。陽菜ちゃんに嫌な思いさせちゃったね」


静かに笑うその男の人は、本当に大輔君の友達か?と思うほど上品な人だった。




「もういいよ。今日は歌いまくるって決めたんだ。だからね、……え~っと……」

「祐。僕の名前、祐って言うんだ。よろしくね、陽菜ちゃん」



ガハガハと笑う大輔君に比べて、祐君はニッコリ静かに笑いかけてくれた。




「祐君!!今日はよろしくね」

と言ったところで探していた部屋にたどり着いた。





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