汚レ唄



お兄ちゃんが彼女を連れてきて数ヶ月が過ぎた。



あれからというもの、1週間に1回は彼女が家に遊びに来るようになった。





息苦しくて


うまく息ができなくて



こんな自分を客観的に見る自分がいた。







『 不 安 定 』



私の全ては兄でできていた。



その兄がいなくなる。




つまりは、私がいなくなる。




私は私でなくなる。





彼女がいてもいなくても、私の居場所はこの家にはなかったんだ。





居場所なんてどこにもなかった。




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