汚レ唄


それだけで幸せだ……。


こうして、食べ終わった食器を洗って、夫婦生活に近いこともできたし、それでいいじゃない。



私は今、すごく幸せ。



そうだよ。
幸せなことだよ。



だって、彼女はこんなことできないでしょ?



これが私の特権なんだ。








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食器を洗い終わり、お風呂に入った。



身体を洗う。



白い泡が身体を包む。
フワフワ柔らかい泡が包み込んでくれる。





『…─── シャー…」


白い泡を温かいお湯で流すと、白だった泡は黒の泡へと変わって流れ落ちる。



お兄ちゃんとの時間が私を綺麗にしてくれるような気がした。




汚く汚れてしまっても、綺麗になれる気がしたんだ。


───綺麗になりたかった。


アナタに見合うくらい綺麗になりたかった。




その真っ直ぐな瞳に綺麗な私を映してほしかった。



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