汚レ唄
お風呂からあがり、ポタポタと髪から雫が滑り落ちるのを、慌ててバスタオルで拭いて制する。
……これから、私にはもう一仕事待っている。
その名も『洗濯』
明日は私もお兄ちゃんも休日だけど、早く起きられない私たちは、『その日の内に洗濯して干して置くように』とお母さんに言われていたのだった。
「よい……っしょっと!!」
カゴに放り込まれた洗濯物を洗濯機の中へと詰め込む。
その中には旅行へ行ったお父さんやお母さんの服まで入っていて、なんだか憂鬱な気分になった。
現実に戻されたような
……そんな感じ。
「はぁ〜……」
「何で今から洗濯すんの?」
「うわっ!!」
突然声をかけられて驚いた。
だって、この家には今、お兄ちゃんと私しかいなくて、お兄ちゃんは2階にいるし……。
だけど、そこには作業をしていて全く気付かなかったけど、お兄ちゃんが立っていた。