汚レ唄


真っ白な天井が滲んで見えた。


今日は2回も褒められた。

私に微笑んでくれた。






最近、いつも自分を責めた。


どうして兄妹なんだとお母さんを憎んだ。


この血を恨んだ。







だけど、妹だからお兄ちゃんと出会えた。


お兄ちゃんの優しさに触れられた。


お兄ちゃんとの思い出がたくさんできた。





兄妹でもいい。


兄妹だからこそできることがあることがわかったから。





私は幸せ者だ。


「………っズ…」




溢れ出す涙を拭うこともせずに、ただ上を向いて涙を流した。


この涙は悲しい涙じゃない。





嬉しい涙。





だから拭いたくなかった。


幸せを自分の手で取りたくなかった。





だけど、洗濯の終わりを告げる音によって、その幸せの時間は失われた。






今からは幸せ+仕事の時間。



愛しのお兄ちゃんの為に働きますよ。


だからまた笑いかけてね、お兄ちゃん。




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