ヒミツの恋の方程式
「敦…
おまえっ。
人の女に手ェ出すなよ!」


握りこぶしを固めて走りこんできた聡のパンチを、バシっという音とともに軽々と受け止め、


「あの聡が、こんなことをする女ってのに、興味がある」


黒あくまは、視線をチラっとあたしの首筋に流し、


「俺も、こいつを。
もっと泣かせてみたいし、な?」


口元を歪ませフッと笑い、


「あの賭けの続きをしようぜ?
“元弟”くん?」


黒あくまは、聡を突き飛ばした。

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