ヒミツの恋の方程式




“賭け”…って?


――“賭け”…って、何!?


唇を押さえていた手が、ダランとだらしなく下に下がる。


「…っ」


息をのんだ視界の隅に、転んだ聡が映る。


聡が――…


聡が、あたしに近づいた理由って…。


自分から――…


自分から仕掛けることはない、あの聡が。


あたしには――…


あたしにだけは、“あんなこと”をした理由って…。

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