ヒミツの恋の方程式
ちょっと待って。


あたしには、なにがなんだか…。


ちょっと待って。


そう思っているのに、黒あくまの綺麗な口元はゆっくりと動き――…


「賞品は、おまえだ。
南野雫」


そんな言葉が降ってきて――…


「もちろん…」


黒あくまは、あたしの顔に黒あくまのメガネをかけ、


「異論なんかねぇよな?」


あたしの瞳をのぞきこみ、するりと頭を撫でてから、聡を振り返った。


「リスタートだ、聡。
今度は本気を出してやるよ」


あごを突き出した生意気そうな顔で。
親指を下にガッと下げて。

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