ヒミツの恋の方程式
大きくて、太くて、ゴツイ指で、あたしの髪を首筋から避け、それをあごで押さえて、


「おまえ、俺に言いたいことあるだろ」


ぺたんと、叩くように、何かをくっつける。


その正体がカットバンだとわかった時――…


「ほら、出来た」


黒あくまはあたしを膝の上から下ろし、ポケットから何かを取り出して、口に銜えた。


「これが賞品じゃ。
正直、やる気なんか、出ねぇよな」

< 134 / 209 >

この作品をシェア

pagetop