ヒミツの恋の方程式
シュボッ!と音をさせてライターをすり、ふーっと煙を出して、虚ろな目であたしを見上げる。


その瞬間。


「あ。」


さっきまで、黒あくまのあまりの傍若無人さに忘れかけていた事実を思い出した。


「“賭け”って何!?
“賞品”って何!?
“元弟”って何!?」


高校生のくせに学校でタバコを銜える黒あくまを注意することなんか忘れて、


「ちょっと!
そういえば!
さっき、あんた、あたしにキスしたでしょ―っ!!」


ユサユサと、黒あくまの胸ぐらを掴んで揺さぶる。

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