ヒミツの恋の方程式
「どーしてくれんのよ!
…っていうか、あんた、あたしの何!?
…っていうか、あんた、聡の何!?」


キーっと、ヒステリックに喚くあたしを、指を耳栓代わりにしながら、迷惑そうに細めた目で見上げ、


「“賭け”も“賞品”も“元弟”も。
全部、そのままの意味だろ。
頭ワリィな」


黒あくまはタバコを銜えたまま、器用に言葉を吐き出す。


「ちなみに、キスは――…」


そこでいったん言葉を止めて、あたしの注意を惹きつけ、ニヤリとドス黒い笑みを浮かべ


「シたかったから」


黒あくまは、タバコを指に挟んで、ふーっと、煙をあたしに向かって吐き出した。

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