ヒミツの恋の方程式
「け…
けほ…
けほっ…」


煙をまともに吸い込んでむせるあたしの腕を掴んで引き寄せ、


「本当は、俺。
ボン!キュッ!ボーン!ってのが、好みなんだけどな」


片指をあたしのジャケットの胸の部分、ボタンに引っ掛けるように持ち上げる。


「そう、そう。
こんな眺め」


…って、はぁ?


「おまえさ、何とかなんねぇの?
足りなすぎだろ、10センチ以上」


黒あくまは、さも嫌そうに顔をしかめ


「でも、まぁ、今回は。
勘弁してやるけど?
洗濯板でも」


タバコをコンクリートの床に押付けた。


「元、弟くんの泣きっ面も見てぇし、な?」

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