ヒミツの恋の方程式
「な…
黒あく…
いや…黒澤くん…
なに言って…?」


首をかしげながら後ずさりをする。


ここから先は、なんか聞いちゃいけないような気がした。


その感が当たったと気づいたのは――…


「ん?
こーゆーこと」


目にも止まらぬ速さで動いた黒あくまに捕らえられ、唇を塞がれた時。


「聡と俺。
昔、兄弟だったんだよな」


ほんの数秒であたしを離した黒あくまは、


「あんた達と同じ。
義理の――…って、やつ」


あたしの唇をスイーっと撫でた。

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