ヒミツの恋の方程式
「雫。
それじゃあ、敦の思うツボだろ?」


聡は冷静な声と温かい手を落とし


「仕方がねぇな」


あたしの手首を掴んだかと思ったら――…


「この時間なら大丈夫だろ」


ぼそっと小さく呟き


「ほんっと、手間のかかるお姉ちゃんだ」


くすっと小さく笑って、


「雫が重くないことを祈る」


そんな言葉とともに、少し屈んであたしの膝の裏に片手を入れ――…


「雫。
言葉でわからせてほしい?
それとも――…
体でわからせてほしい?」


――あたしを横向きに抱き上げた。

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