ヒミツの恋の方程式
「…え?
なに!?
ち…ちょっと…
下ろしてよっ。
なんで?
なんでっ!?」


聡が今あたしにしてくれていることは、お姫様抱っこってやつだけど、この状況でのソレは、全然嬉しくないし、なによりも――…


「…怖い」


そう、想像していたよりも、ずっと不安定で、ずっと高くて。


あたしは――…


「みんなにバレたらどうすんのよ!
…っていうか、その前に。
あたしはあんたを許さないんだから!
大っ嫌いなんだからっ!!」


そんな言葉を口にしながらも、背に腹はかえられず、ぎゅっと聡にしがみついた。

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