ヒミツの恋の方程式
「ひゃっ…」


その瞬間、体がピクリとのけぞった。


そんなあたしの小さな反応に――…


「でもさ、雫。
…ヤバくね?
この、反応」


あたしのことを“お姉ちゃん”と呼んでいたさっきよりも、若干低くなる声のトーン。


「拒否ってるとは、到底思えない」


あたしのうなじに触れるか触れないか…
かすかに空気を揺らす聡の息に、体中が熱くなる。


「簡単に流されないところが、雫のいいところだけど――…」


あごにかかる聡の手。


「これは逆にアウトだろ」
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