ヒミツの恋の方程式
そう言うなり、強引に胸の中に引きずり込まれる。


「…ゃっ…
離して」


「そんなことを言って、拒否る理性と――…」


「…んっ…」


「強引にでもキスされると――…」


「…っ…
はっ…」


「すぐにこんな顔をして、息を乱す雫の本能」


あごをクイっと掴まれて、強引に上を向かされる。


「それが、より一層男を煽るってわからない?」


そう言ってあたしを見下ろす聡の瞳が恥ずかしくて。


まともになんか、到底見られなくて。


「…やっ…
見ないで」


顔を背けるように、手で顔を隠すと――…

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