ヒミツの恋の方程式
「…ぁんっ…」


聡が人差し指で、途中までボタンの開いた制服のシャツの間を、ツーっとなぞった。


やっ…
何?
今の声。


…あ…あたし!?


やだ…
一瞬唇をかみ締めて


「やっ…」


慌てて顔から手を離し、無防備だった胸に手を当てる。


そして


「聡…
も…
やめて…
恥ずかしいよ…」


うっすらと涙のたまった瞳で聡を睨み上げると――…


「あーあ。
ますます逆効果」


そんな言葉とともに、聡はスッと顔を傾けた。

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