ヒミツの恋の方程式
「そんな顔されたら、“もっと”って思うのが男だろ?」


そんな言葉とともに、あたしの耳に軽く触れ、


「雫の恥ずかしがる顔、もっと見せてよ」


あたしの唇に触れるか触れないか、ギリギリのところから息を吹きかける。


「…っ」


触れてもいないのに伝わる、聡の熱。


その熱さに耐えられなくて、ぎゅっと強く目を閉じると――…


「ダーメ、雫」


掴まれるあごと、


「…っ!!!」


背筋をなぞる聡の指先。

< 42 / 209 >

この作品をシェア

pagetop