ヒミツの恋の方程式
「…ふぇ?」


急に明るくなる視界。


それは、急に――…


頭の上からすっぽりとかぶっていたお布団を、聡がバッサリとはいだから。


「…さ…とし?」


スゥーっと、離れ行く体温。


「どう…して?」


聡!?
なんで急に離れていくの?


くっついているときは熱いほどだった体温が、聡と離れたせいで、スッと冷える。


「さむ…」


だからあたしは、さっきまでの甘い空気と体温を取り戻したくて


「聡っ…」


懇願するように聡の名前を呼びながら、立てひざ状態であたしを見下ろす聡を見つめた。

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